将棋の持ち時間についてご紹介します。
持ち時間に関するルールや2種類の方式の違いなどを分かりやすく解説します。
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持ち時間とは
持ち時間とは、対局する2人それぞれに与えられた自由に使える時間のことです。
基本的には相手が指してから、どう指すか考えて指す時間に使われます。
将棋以外にも、囲碁やチェスにも持ち時間は設定されています。カードゲームにも持ち時間を設定されることもありますね。
相手の持ち時間をどれだけ使わせるか、というのも勝負を左右します。
対局中の2人の待ち時間の差を見ながら、観戦するのもいいですよ。
基本的なルール。休憩やおやつの時間は?
持ち時間に関する基本的なルールをご紹介します。
大会ごとのルールやローカルルールもあるので、大会などに出場する場合は、大会規定を確認してくださいね。
- 食事時間は持ち時間に入らない(時間が減らない)
- トイレ休憩やおやつ休憩は持ち時間が減る
- 持ち時間がなくなったときは、指し切り(切れ負け)または秒読みとなる。
- 持ち時間中には昼寝をしてもいい
プロ棋士のタイトル戦では注目される食事やおやつ。食事は持ち時間に含まれません。
食事時間が別途設定されていますからね。ただし、おやつ時間は持ち時間を消費することになります。
あまりのんびりとおやつを食べることはできません。
また、トイレも持ち時間となります。なので、相手の持ち時間の間に、トイレを済ませる棋士が多いです。
もし持ち時間がなくなってしまうとどうなるか、という問題です。これには2種類あります。
1つは指し切り(切れ負け)です。持ち時間がなくなった瞬間に負けが確定する、というパターンです。
もう一つは、設定された秒数で指す、秒読みです。10秒や30秒、1分という設定があります。この設定時間を超えると負けです。
持ち時間がどうカウントされるかは、方式の違いによります。2つの方式があるので、次に解説します。
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ストップウォッチ方式とは
ストップウォッチ方式が従来から使われてきた手法です。
ストップウォッチ方式は使った時間の1分未満が切り捨てとなる方式です。
使用時間ごとに、減る持ち時間をご紹介します。
- 59秒使用 秒単位は切り捨てなので、持ち時間消費なし
- 1分1秒使用 持ち時間消費は1分
- 1分59秒使用 持ち時間消費は1分
持ち時間がなくなったとしても、1分未満は持ち時間にカウントされません。
なので、持ち時間がなくなったら59秒以内に指すということになります。
ずっと使われてきた計測方法で、将棋のタイトル戦もほとんどがストップウォッチ方式となっています。
チェスクロック方式とは
チェスクロック方式はストップウォッチ方式よりも新しいカウント方法です。
ストップウォッチ方式が秒単位を切り捨てるのとは違い、秒単位までしっかり計測します。
1分1秒で指すと、持ち時間から1分1秒が引かれます。1分59秒で指すと、持ち時間から1分59秒が引かれます。
ストップウォッチ方式ならどちらも1分なんですけどね。
だからこそ、対局がスピーディーに展開します。どんどん持ち時間が減りますから、時間との戦いという側面が強くなります。
タイトル戦でも予選ではチェスクロック方式が採用されることも多いですよ。
タイトルごとの違い。持ち時間が長いのは?
将棋の8大タイトルごとに持ち時間と方式を見ていきましょう!
竜王戦
- タイトル戦 8時間
- 本戦・ランキング戦 5時間
- 残留決定戦 3時間(チェスクロック方式)
名人戦
- タイトル戦 9時間
- 順位戦 6時間(B級2組・C級1組・C級2組はチェスクロック方式)
王位戦
- タイトル戦 8時間
- 本戦リーグ・予選 4時間
王座戦
- 5時間
棋王戦
- 4時間
叡王戦
- タイトル戦 4時間(チェスクロック方式)
- 本戦 3時間(チェスクロック方式)
- 段位別予選 1時間(チェスクロック方式)
持ち時間がなくなったら60秒未満の秒読み
王将戦
- タイトル戦 8時間
- 挑戦者決定リーグ 4時間(チェスクロック方式)
- 予選 3時間(チェスクロック方式)
棋聖戦
- タイトル戦 4時間
- 決勝トーナメント 4時間
- 二次予選 3時間
- 一次予選 1時間(チェスクロック方式)
一番持ち時間が長いのが名人戦で9時間です。続いて、竜王戦・王位戦・王将戦の8時間です。
特徴的なのが叡王戦です。タイトル戦でもチェスクロック方式となっています。
とにかくスピーディーな将棋が楽しめます。
叡王戦は2017年度にタイトル戦となった一番新しいタイトルなんです。なので、チェスクロック方式が採用されている、というところもあるかもしれませんね。
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早指しも長考もおもしろい!
早指しでも長考でもおもしろいですよね、ほんとに。
ストップウォッチ方式だと、55秒くらいまで考えてから指すという姿も見られます。
持ち時間がほとんどなくなってからの勢いも、見ていて興奮します。
どちらにしても楽しいのが将棋!ということですね。